No.1061
ともにサレジオ的聖性への道を
親愛なる姉妹の皆さん
夏のプレヌム(全体会)を終えるにあたり、主がわたしたちに与えてくださったこの恵みの時を、ともに喜び、感謝したいと思います。
2026年上半期には、各管区への訪問を通して、修道会の歩みや、さまざまな大陸で展開されているサレジオの教育使命の多様な現実を、これまで以上に身近に知ることができました。各地での出会いや活動は、教育共同体の皆さんの声に耳を傾け、その生活や願い、そして希望を受け止めようと努める貴重な機会となりました。
全体会の期間中、世界各地での分かち合いの体験は、比較と共同体の識別をより豊かなものとしました。そして、カリスマへの忠実さを保ちながら、現代社会が投げかけるさまざまな課題に応えつつ、修道会に新たないのちを生み出していこうとするわたしたちの思いが、いっそう確かなものとなりました。
ゾヴェラッロディヴェルバーニアで行われた黙想会は、わたしたち一人ひとりにとって、人間的にも霊的にも新たにされる貴重な機会となりました。静けさのうちに神のみことばに耳を傾け、イエスとの出会いの中で、主のあらゆる呼びかけに対して、これまで以上に心を開き、惜しみなく従っていきたいという願いを新たにすることができました。
また、温かく迎え入れてくださったロンバルディア管区「聖家族」(ILO)の皆様に、心から感謝いたします。さらに、いくつかの共同体を訪問し、姉妹や若者たちと交流する機会をいただいたことにも深く感謝しています。その一つ一つの出会いを通して、美しいサレジアン的カリスマによって結ばれた一つの家族への所属意識を、わたしたちは改めて確認することができました。
特に意義深いものとなったのは、2026年7月6日から18日まで、カステル ガンドルフォにおいて、四つの大陸から集まった15名の新管区長と養成の歩みをともにする機会が与えられたことです。
活性化と統治の奉仕に携わる中での喜びや苦労、また直面している課題について語る彼女たちの体験に耳を傾けることを通して、わたしたちは、多様な文化やさまざまな状況の中でわたしたちの修道会を導いておられる聖霊の働きを改めて認識することができました。また、彼女たちとともに、第24回総会で示された呼びかけをさらに深め、その実践状況を確認するとともに、第25回総会に向けた準備の歩みについても、理解を深めることができました。
それは、養成をともにする恵みの時であり、わたしたちが果たすよう招かれている奉仕が、より福音に根ざし、シノドス的な歩みを大切にし、牧者の愛に生かされたものとなるよう、主によって新たに形づくられる機会となりました。
この養成の日々を通して、ルカによる福音書5章1~11節の福音箇所と、「沖に漕ぎ出し、網を降ろしなさい……」というテーマが、わたしたちの歩みを導き、支え続けてくれました。
ドン ボスコとマードレ マザレロの精神に結ばれたわたしたちは、交わりと、相互に耳を傾け合うこと、そして分かち合う識別の美しさを体験しました。そして、兄弟姉妹としての交わりこそが、あらゆる真の活性化と統治の奉仕の土台であることを、再発見しました。
新管区長たちは、それぞれの管区へ帰るにあたり、より広い視野と、使命への情熱に新たに燃える心を携えて帰られたものと確信しています。そして、福音的な生き方における権威とは、何よりもまず、いのちを生み出す無償の愛の具体的な奉仕であることを、自らの生き方をもって証ししたいと願っておられることでしょう。
養成プロジェクトおよびFMA教育使命の指針(LOME)改訂の歩み
全体会の期間中、わたしたちはこれまで進められてきた養成プロジェクト『神との契約のうねの中で(Nei solchi dell’Alleanza)』および、『かれらがいのちを受けるように、しかも豊かに受けるように―FMA教育使命の指針(Linee orientative della missione educativa delle FMA:LOME)』の改訂の歩みを分かち合いました。また、養成および青少年司牧の総評議員とともに、この二つの文書の作成に取り組んでいる二つの作業グループとも会合をもち、現在の作業の進捗や内容について意見を交わすことができました。
LOMEについては、最後に寄せられた提案や意見を分かち合うとともに、文書の承認および刊行に向けた今後の段階の基礎が整えられました。一方、養成プロジェクトの編集グループは、総長と総評議会との話し合いの中で示された指摘や提案を受け止め、それらを引き続き作成するための指針として取り入れました。
二つの文書の作成全体を通して、シノドス的で参加型の方法が大切にされています。それは、編集グループと専門家との継続的な対話、総評議会との意見の交換、そして福音、教会の教導権、修道会のカリスマの遺産に忠実であること、さらに現代の教育と養成が直面する課題に誠実に応えていくことを土台とした取り組みです。
これまでの歩みの中で、最新の教会文書が示す方向性を踏まえながら、寄せられた多くの意見や修正提案を丁寧に取り入れ、一つにまとめる作業が進められてきたことに、わたしたちは深く感謝しています。また、わたしたちが生活し活動している複雑で多様な状況の中で、養成と教育使命がわたしたちに投げかけているさまざまな課題にも心を配りながら、この作業が進められてきました。
わたしたちは、第25回総会において、この二つの文書を皆様に紹介できることを希望しています。
カリスマのうねのなかでの宣教者
全体会の期間中、わたしたちは、ドン ボスコから受け継いだカリスマという、今もなお生き生きと息づく尊い賜物を祝う中で、サレジアン・ファミリーにおいて行われたさまざまな出来事のエコーを分かち合いました。その一つが、サレジアニ・コオペラトーリ創立150周年を記念して開催された第6回サレジアニ・コオペラトーリ世界大会であり、そのテーマは「実を結ぶパン種となるように」でした。世界五大陸の11地域から集まった約400名の参加者─サレジアン協力者、サレジオ会、そして扶助者聖母会のデレガータは、わたしたちの創立者の夢が、今日では世界中に広がる普遍的なものとなっていることを力強く証ししました。この大会は、深い感謝と責任感をもって行われました。それは、サレジオ会のカリスマが今日もなお、サレジアンの信徒の生き方を通して世界に語りかけ続けていること、そして、特に最も弱い立場に置かれた少年少女や若者たちに向けられた先に愛してくださるイエスの愛を目に見える形で示していることを、参加者一同が改めて自覚する機会となったからです。
わたしたちは今、扶助者聖母会最初の宣教団のメンバーがアメリカ大陸へ派遣されてから150周年を迎えるための3年間の準備期間の、2年目の終わりに近づいています。
この一年は、「宣教霊性プロジェクト(PEM)」の推進を中心に歩んできました。このプロジェクトは、教育共同体が感謝の心をもって修道会の宣教への情熱を祝い、その熱意を新たにするとともに、この現代において、教会と人類への賜物であるカリスマの預言的な推進力を再び燃え立たせるよう助けてくれました(チルコラーレ1038参照)。
喜びと驚きをもって、わたしたちは、扶助者聖母会が今日、世界五大陸98か国において現存していることを神に感謝します。
同時に、わたしたちは宣教の火を再び燃え立たせ、福音宣教への献身を新たにする必要性を強く感じています。その出発点となるのは、復活された主との個人的な出会いと共同体としての交わりを大切にすること、そして、素朴で喜びに満ちたあかしの生活です。そのような生き方は、わたしたちを主に従うよう促し、とりわけ希望が薄れつつある場所へと遣わされ、主を告げ知らせる力となります。
現在、扶助者聖母会の共同体が一つしか存在しない国もあります。また、政治的・宗教的・社会的経済的に困難な状況に置かれた地域では、国際性と世代の多様性を備えた共同体の存在が求められています。そのような共同体は、日々の生活を通して、どのような困難な環境にあっても交わりのうちに生きることが可能であることを証しすることができます。
そして、まさにそのような状況においてこそ、サレジオの教育的カリスマの預言的な力は、人々に希望とよりよい未来への信頼をもたらすことができます。この現実を前にして、わたしたちは無気力で、無関心で、「情熱を失った者」であってはなりません。むしろ、宣教者としての勇気をもって、福音の喜びとその美しさを携え、勇気を持って証ししていくよう招かれています。
宣教的聖性への賜物と招き
Sr.マリア・トロンカッティの列聖は、神からわたしたちに与えられた大きな恵みであると同時に、どこにあっても宣教者として生きるというわたしたちの使命を新たにするよう促す招きでもあります。それは、彼女の心に燃えていたキリストへの情熱と教育への熱意にインスピレーションを受け、その精神に倣って歩むようわたしたちを招いています。
わたしたちは、第25回総会をSr.マリア・トロンカッティに委ねましょう。彼女の模範が、これからもわたしたち一人ひとりの生き方を問いかけ続けるとともに、さまざまな形で彼女と出会う多くの若者たちの心にも、豊かな実りをもたらしてくれるよう願っています。
わたしたちは、彼女の卓越した人間性の中に花開いた聖性の豊かさを、より多くの人々に知っていただきたいと願い、新しい伝記の執筆と記念像の制作を依頼しました。伝記は、同窓生で作家のフェデリカ・ストラーチェ氏に、また記念像は、彫刻家マウロ・バルデッサーリ氏に委嘱し、トリノの扶助者聖母大聖堂に設置される予定です。
お二人の芸術家は、ともにSr.マリア・トロンカッティの人格に深く心を動かされ、その生涯と霊性を深く学ぶことを通して、彼女が伝えるメッセージの美しさを、それぞれ異なる表現法で見事に形にしてくださいました。
その作品は、単に彼女の生涯を紹介するだけではなく、彼女の福音的でサレジオ的な証しに、わたしたち一人ひとりが向き合えるよう力強く呼びかけています。
聖マリア・トロンカッティの生涯に宿り、その歩みを導かれた聖霊が、これからもわたしたちを、ご自身がお委ねになる宣教の新たな道へと絶えず力強く送り出してくださいますように。
去る6月24日、わたしたちは聖マリア・ドメニカ・マザレロの列聖75周年を祝いました。それは、わたしたちが招かれている聖性とは、だれにも、何ものにも奪われることのできない喜びであり、その喜びこそがわたしたちの最も根本的で、最も真実な証しであることを、改めて心に刻む機会となりました。
教皇フランシスコは使徒的勧告『喜びに喜べ(Gaudete et exsultate)』の中で、とりわけ「女性の才能」もまた、神の聖性をこの世に映すには不可欠な、女性ならではの聖性のあり方」(12番)を強調しておられます。
そしてわたしたちも、第25回総会の準備を進める中で、聖なる者となるのは、「わたしたちのカリスマ的アイデンティティを特徴づける宣教への情熱を新たに燃え立たせること」であり、それによって、「カリスマの預言的な力をもって、若者とともに交わりの宣教者となること」であるという自覚を新たにしています。
マードレ マザレロと最初の姉妹たちは、ドン ボスコがサレジアン・ファミリーに託した予防教育法を、女性としての豊かな感性をもって生き、それを宣教的聖性への道として歩みました。教会の中で私たちの召命の特徴は予防教育法である。それゆえ、わたしたちにとって霊性であるとともに、司牧活動の方法でもあります(会憲7条 参照)。
予防教育法―未来への贈りもの
わたしたちは、『Trattatello sul Sistema Preventivo』(1877年)刊行150周年の準備の一環として進められている研究プロジェクトに対し、すべての管区が意義深い協力をしてくださったことに、心から感謝いたします。この研究には信徒や若者たちも参加し、予防教育法を未来への贈りものとして改めて見つめ直すことを目的として取り組まれました。
わたしたちは、カリスマの原点に立ち返るとき、緊張や紛争、対立による分断が広がる現代世界において、平和を築くことが、これまで以上に緊急の課題であると強く感じています。
予防教育法は、人間の知性・心・意志を育むことを目指しています。そして、平和は何よりもまず、わたしたち一人ひとりの心の中に、また人と人との関わりの質の中に築かれるものであることを教えています。
実際、平和とは、神、自分自身、他者、そして被造物との調和であり、それは互いを尊重すること、信頼し合うこと、出会いを大切にすること、そして善をともに求めて歩むこととして具体的に表されます。
予防教育法についての小冊子刊行150周年を記念してお祝いすることは、今日、わたしたちが「武器のない平和、武器を取り除く平和」を育む教育者、また平和を織りなす者となる決意を新たにすることでもあります。若者を信じ、彼らに寄り添って歩み、一人ひとりが温かく迎えられ、自分の価値を認められ、自らの最善を尽くすよう招かれていると感じられる場を提供することのできる教育者となることです。
それこそが、ドン ボスコとマードレ マザレロの遺産を最も忠実に受け継ぎ、その希望を新しい世代へと手渡していく、真の道なのです。
わたしたちの修道会創立記念日、そして多くの姉妹にとって初誓願記念日8月5日を間近に控え、いつもわたしたちと共同体を見守ってくださる扶助者聖母マリアに感謝いたしましょう。どうかマリアが、わたしたちをいつもイエスのみことばに心を開く者とし、「この人の言うことを何でもしなさい」という勧めに、創造性と喜びをもって応える者にしてくださいますように。
姉妹としての愛を込めて皆様にごあいさつをお送りし、お一人ひとりのために、またすべての共同体のためにお祈りいたします。
2026年7月24日
カステル・ガンドルフォにて
マードレ キアラ・カッツオラ
ならびに 総評議会の姉妹一同