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貧しい人々の間でささげ尽くした生涯

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2016.9.3 ローマ(イタリア)

信仰と文化の差別なしに、世界を一致させた、霊的なお祝いである、いつくしみの大きなイベントがありました。それは、1979年にノーベル平和賞を授与されたコルカタのマザー・テレザが、教皇フランシスコにより列聖されたことです。2016 年 9月4日の日曜日は、いつくしみの特別聖年のクライマックスの日となり、ローマに全世界から十万人以上の巡礼者が集まりました。

 マザー・テレザはアルバニアの裕福な家庭に生まれましたが、“貧しい人たちの中でも最下級の人々”を助けるためにすべてを捨てて、神の愛の宣教女会を創立し、自分の持ち物は、ただ青い線の入った白いサリーだけにしました。

 キリストへの信仰を受肉し、最も貧しい人々への愛のために、単純で、強い信仰をもって、彼らと共に生涯を過ごしたこのアルバニアの“小さき姉妹”は、心のうちに暗い闇の時期を過ごすこともありました。この長い霊的な闇の時期を支えたのは、信仰でした。神が彼女の魂に語りかけることを望まれないような時に、幾人かの友人にそれを手紙で打ち明けていました。

 神の愛の宣教女たちを導き、マザー・テレザを良く知っていたスオル・マリー・プレマは、1980年に次のように話しました。「彼女は喜びのうちに生き、すべてを神と隣人のためにささげ尽くした生涯でした。マザーの模範は姉妹たち皆にインスピレーションを与えました。わたしたちがなにかの過ちをしたときには、マザーはいつもすぐに勇気づけてくださいました。その微笑みはイエスさまのためとわたしたち皆のために一番よい贈り物だったと思っています。なぜかと言いますと、彼女の微笑みを見ると、心の悲しみは消えて、主への愛をあかしする心から生まれ出る喜びと希望が湧き出るからです。神の愛の宣教女たちは世界の果てまで、微笑みをもたらすように呼ばれています。 

マザー・テレザがおっしゃったとおり、「わたしたちは皆愛のために、そして愛するために、創られていることを自覚しています。」 苦しんでいる人々を思いやり、マザー・テレザはどの人も、どの命も価値があり、大切であると思い、その人のために自分を消耗することは正しいと考えておられました。貧しい人々の中に苦しむキリストを見て、より多く与えるのでした。福音の中のイエスのみ言葉を思い出しておられました。『わたしが渇いていたときに、飲ませてくれました…わたしの小さな人たちにしてくれたことは、わたしにしてくれたことになるのです』。

 奇跡の恵みを受けたブラジル人の、マルシリオ・ハダド・アンドリーノは、脳に恐ろしい化膿が生じて、医師のもとに運ばれましたが、もうなすすべも無い状態でした。妻のフェルナンダはマザー・テレザに祈り、そのナイトキャップをかぶせますと、科学的には説明できない現象が起こり、たちまち瀕死の夫は奇跡的に治癒しました。マルシリオは、これはいつくしみ深い神の恵みとマザー・テレザの取次ぎによるものであると感謝を表明しました。彼の家族に引き続いて起こった奇跡は、医師たちがこの病気の後に子供をもつことはできないと言ったにもかかわらず、マルシリオとフェルナンダは親になる喜びも得たのでした。

 マザー・テレザは貧しい人たちへの思いやりについて話した時、愛されない人、この世から疎外された人、皆から忘れ去られた人を考えて、単に物質的に貧しい人だけを対象としないように話されました。マザー・テレザは裕福な人を批判するのではなく、もっていない人にその財産を与えるために用いないことを批判なさったのです。1979年にノーベル賞を授与された時、百人ほどの来賓のために、盛大な祝宴を開くことを止めて、その費用を貧しい人々ために用いるようにお願いになりました。そして、ストックホルムの立派なホテルに来賓を招待するための費用を節約して、貧しい人々の家を修繕するために用いるように勧めました。ご自分がスエーデンに滞在中は、聖ヨゼフ修道会のシスターのもとに宿泊し、そこから動きませんでした。

 マザーはインドを愛し、その活動を妨げようとする人々がいるにしても、インドからも愛されていました。1951年にインドの市民となり、後に国の最高の名誉市民となりました。1973年に、インディラ・ガンディー賞を授与され、無料で飛行機搭乗の恩典を得ました。

 パパ・ヴォイティ-ヴァ(教皇ヨハネ・パウロ2世)の大親友となり、お二人は世紀末の世界的カトリシズムの指導者の姿を代表されました。宣教女たちは教皇の要請に応じて、バチカン宮殿において貧しい人たちのための食事会を開きました。1997年9月5日、マザーはコルコタで帰天されました。マザー・テレザのために国葬が行われ、十万の国民と世界中の権威者が参列し、その葬議は衛星放送テレビで放映されました。2003年に教皇ヨハネ・パウロ2世はマザー・テレザを福者と宣言され、2016年9月4日に、パパ・フランシスコは聖女と宣言されました。

 

参考サイト  Una vita tra i poveri