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ドン・ボスコの家族として 社会のよきパン種となろう

No.1024

 

愛する姉妹の皆様

この新年の初めに、2023年のストレンナを皆様にお届けできることを嬉しく思います。

 

ドン・ボスコの家族として

社会のよきパン種となろう  注1

注1:日本管区サレジアン・ファミリー公式ストレンナ

参考として:チルコラーレ1024号の読み深めのため

原文  COME LIEVITO NELLA FAMIGLIA UMANA .La dimensione laicale della

  Famiglia di Don Bosco

試訳  今日、人類家族のパン種として ‐ドン ボスコの家族の信徒的次元‐

 

サレジアン・ファミリーとしてわたしたちは、アンヘル・フェルナンデス・アルティメ総長様にご一緒に感謝を表し、総長様が提案される2023年のストレンナのテーマに従って、先をしっかり見つめて進みたいと思います。

わたしたちは、ストレンナが、世界の子ども、青少年、若者、サレジオ家族のグループに向けられ、神と希望に飢え渇いている人類、人々の中で、現代における真のパン種となるよう召されたあらゆる国の多くの信徒男女によって生きられた、その信徒的次元を再発見するようにと招いていることが分かるでしょう。

わたしたちも奉献された女性として、サレジアン・ファミリーの中で「人類という練り粉の中のパン種」となり、他の人と共に、他の人のために、他の人々の傍らに生き、生き生きとした申し分のない家族を作るために、兄弟姉妹の福音に基づいた信徒の在り方によって自分を豊かにするよう召されています。

わたしたち固有の教育的カリスマに忠実に、子どもや青少年が、世の中で練り粉を発酵させ、「人類家族のパン」をより美味しくするパン種であるために善の資質を自分に発見できるよう支援したいと願っています。

 

パン種のテーマは、神の国の本質に言及している教育学と教育の現代性に富んでいる福音のたとえ話を思い起こさせます。それは、人間的に小さく、一見するなら取るに足りない現実です。その一人となるためには、心の貧しいものでなければなりません。自分の能力に信頼するのではなく、神の愛の力に信頼することです。つまり、人の目に重要であるために行動するのではなく、単純で謙遜な者を好まれる神の目に尊いものであるために行動することです。

神の国は、わたしたちの協力を必要としますが、何よりもそれは主のイニシアティブと贈り物です。わたしたちの壊れやすい働きも、もし神の働きに組み込まれるなら、主の勝利は確実ですから、恐れることはありません。神の愛は、地上に存在するすべての善の種を芽生えさせ、成長させるでしょう。これは、わたしたちを慰め、力づける確信です。

 

ストレンナの中で総長様は、現代社会には多くの善がある

と同時に、多くの苦しみがあることを認識するようわたしたちに呼びかけています。それは、わたしたち人類家族としての在り方や行動から生み出された苦しみです。したがって、彼は非常に特別な方法でご自分の国を確立される神の行動に目と心を開くようにと勧めています。それは、人間の心、人間の関わり、被造物、そして全人類を福音のパン種で混ぜ合わせるということです。

イエスは、柔和と慈しみ、一人ひとりに対する無条件の愛に基づく特殊な生き方を示されます。それはしばしば、弟子たちからさえも理解されなかった生き方です。

時として、わたしたち人間としての貢献や小さな努力は、取るに足りないものに思えるかもしれませんが、神の前では、それが大きな価値を持つことをわたしたちは知っています。

すべての実りは神からもたらされるものであり、わたしたちが行動するために払った努力だけでは、その成功を評価することはできません。世界をより良くするために自分自身を与えるすべての人、そしてわたしたちのうちに現存される主が、善を活性化し増やしてくださるのです。

この点に関して、マードレ マザレロは、それは「あなたの中で働いていらっしゃる神のみ手によるもの」(L 66:2 参照)ですと言い、また、神の恵みによって照らされ、その内的な働きに任せた人の個人的体験の実りとしてこれを述べています。マードレ マザレロは、創造し、浄めてくださる神のみ手によって、生涯、形作られなければならないと深く確信していました。

サレジオ家族として、わたしたちは共に、人類の小麦粉の中の良いパン種となり、すべての教育共同体における信徒の召命の豊かさを認識し、異なる文化と社会の中で、いのちの賜物、信仰の力、愛の創造性、家族の美しさ、職業上の専門性と経験、福音的あかしを尊重するよう招かれています。

サレジオ青少年運動SYMを生き生きとさせ、活性化するサレジオ霊性は、青少年の生活、信仰体験、与える能力においての成長が受肉する場として、日常生活の重要性に目を向けています。それは、人々の間で平和と兄弟的な愛を築き、強める連帯と行動を実現し、善を増加させる者としての彼らの主導的な役割をサポートします。

同時に、青少年は、世界においてわたしたちの使命の対象者として、カリスマの美しさと豊かさ、すなわち教会への聖霊の賜物を絶えず分かち合っています。

サレジアン・ファミリーを活気づけるスタイルは、青少年、教育者、奉献者、信徒を固有のカリスマによる体験で結び、参加、価値の共有、祈りと聖性の環境を前提としています。

サレジオ霊性において、人間関係は、距離間を取り除き、親しさを育て、世代間を近づけ、人々が自由に成長し、相互に協力し合うことができるような信頼関係を育む「家族的精神」によって特徴づけられます。

わたしたちは、心配事や国際的な緊張、戦争や暴力に満ちた一年を始めますが、同時に人間の心の善良さと神の存在の力に希望と信頼を置く年でもあります。

青少年が置かれている状況に常に気を配り、普遍的な兄弟愛のビジョンに心を開かれた教皇フランシスコは、回勅『兄弟の皆さん』の中で、真理と幸福の探求に開かれた世界を生み出すようわたしたちを招いています。彼はこのような探求と、隣人に対する愛と共通の家を建てるためにする他者への寛大な奉仕とを同じこととして見ておられます。

今日の世界でパン種であることは、「そこにいる」、「いのちを生み出す存在である」という呼びかけに応えることであり、特に青少年が社会と教会の生きた部分であると確信し、日常生活の中で教会的、政治的、社会的義務の側面を発見するために、自分自身の生活の狭い視点から出ることができるよう、彼らの成長と円熟に同伴することです。

本会創立150周年の盛大な祝典を終えた今、これからの歩みを続け、主とサレジアン・ファミリーに属する者であるという炎を明るく灯すのは、わたしたちです。

総長様は、現代社会で謙虚なパン種のように、世界中のあらゆる所で兄弟姉妹の飢えを満たすため、練り粉をパンに変える務めをわたしたちに委ねられました。

すべての扶助者聖母会員に代わり、このストレンナをもって、わたしたちがサレジアン・ファミリーの中で一致の道具となり、奉献された女性の教育者として固有な貢献をする決意を新たにする機会を与えてくださった総長様に感謝いたします。

サレジオ会員の皆様、サレジアン・ファミリーのさまざまなグループ、教育共同体、そして、すべてのFMAの皆様が、2023年の平和と諸国間の相互理解の担い手となりますようお祈りいたします。

聖霊が、その力によって、すべての平和と善の働き手を照らし、慰め、支えてくださるよう願い求めましょう。

わたしたちは、扶助者であり平和の女王である聖マリアのご保護に全人類をお委ねいたします。

 

ローマ 2023年1月1日

 

 

皆様を愛するマードレ