インタビュー
Sr.マリア・トロンカッティ
編集部
エクアドルの「聖心」管区所属のSr.ローザ・モリーナは、Sr.マリア・トロンカッティに直接出会った際にはまだ志願者でした。現在は、Srマリア・トロンカッティによって設立されたスクアの「聖ドメニコ・サビオ」修道院に住み、そこで博物館と歴史資料館の責任者を務めています。
◆Sr.マリア・トロンカッティの宣教女としての特徴
Sr.マリア・トロンカッティの宣教生活は、一言でまとめると「神の心に従う宣教女マリア・トロンカッティ」と言えます。道なき東方のジャングルへの過酷な旅では、未開の森、猛獣、危険が待ち受ける中で、体が弱く繊細な彼女は多く涙を流しました。しかし後に彼女はこう語ります。「道中で泣いた価値はあった。森の中に神の国を築くためだったのだから」と。
Sr.マリア・トロンカッティの宣教生活の特徴をいくつか挙げると次の通りです。
- 神に選ばれたことを自覚する女性。自分を神の道具と感じ、手や知恵を使って癒し、できる限りの善を行います。
- 祈りの女性。毎朝4時に起きて教会に行き、ロザリオを唱え、十字架の道行を行い、共同体の祈りに参加する生活をしていました。
- 直観に優れた女性。病院に来る人や訪問者の目を見ただけで、必要としているもの、貧血なのか、助言や伴走が必要なのかを察することができました。
- 外に出向いて行く女性。フランシスコ教皇が常に望む「外に出向いて行く宣教師」であり、彼女は時代の先を行っていました。窓際に面した部屋を持ち、夜中でも人々が薬を求めたり、誰かの死や出産のために助けを必要として来ると、彼女はすぐに身支度をして危険を冒しながらもジャングルへ向かい、信じられないほどの愛で働きました。まさに「神の心に従う偉大な宣教師」でした。
◆どのようにして共同体としての宣教活動を生きていたのでしょうか?
彼女は常にさまざまな宣教に派遣されていると感じていました。彼女は決して一人で働くことはなく、常に誰かが同行していました。病院ではシスターのチームと共に働きました。ですから彼女は共同体の女性であり、人々をつなぐ女性であり、兄弟愛に満ちた生活を送ったのです。
◆困難にはどのように立ち向かったのでしょうか?
Sr.マリア・トロンカッティは英雄的な女性で、「十字架を見つめることで、働く力と勇気を得る」ということばで導かれていました。イエスを心から愛し、あらゆる困難を乗り越えました。彼女と共に生活していたジョヴァンニ・ボッタッソ神父はこう語っています。「彼女は物事をシンプルにする人でした。山のような困難も、彼女の手にかかればとても簡単に、非常にシンプルに見えました。問題を非常に賢明に、神のごとく解決していました。まず神に相談し、その後さまざまな問題に対する解決策を見つけていました…なぜなら彼女は多くの問題をかかえていたからです!」
◆彼女が残した遺産とは何でしょうか?
「人生は愛のために捧げる価値がある」ということです。
愛のために捧げられた人生、贈り物として生きられ、宣教として生きられた人生だけが、真に生きる価値があります。だからこそ、彼女はシュアル族や入植者の人々への愛のため、平和のために最後まで自らの命を捧げたのです。
◆Sr.マリア・トロンカッティに関する最も美しい思い出は何ですか?
私はシスターになる初期段階、志願者だった時に彼女に出会う幸運に恵まれました。彼女は、病人を治療するためにスクアからマカスまで小型飛行機で移動していました。白いエプロンを身に着け、手荷物ひとつでの旅でした。途中で車輪が外れ、キトに着陸するようパイロットに指示がありました。
キトに向かう飛行は、操縦士や乗っていたSr.マリア・トロンカッティたちにとって絶望的な状況でした。Sr.マリア・トロンカッティは、手にロザリオを握り、危険や病気の際にはいつもそうするように祈っていました。キトの上空で燃料が尽きるまで飛行機は飛び続け、ゆっくりと無事に着陸しました。地上では、飛行機が燃え出す可能性があるため、消防ポンプが準備されていました。パイロットはSr.マリアの足元にひざまずきましたが、彼女は急いでキトの志願院に向かって立ち去りました。
私は今でも覚えています。Sr.マリア・トロンカッティが私たちに危険に立ち向かう方法を教えてくださったことや、悪魔が若者に取りつくこと、若者がロザリオを唱えることで悪魔が去ることを話してくださったことを。そして、私たち志願者に神への愛、貧しい人々や困っている人々への愛を育むよう励まし、やがて私たちも宣教に行くのだと語ってくださいました。