No.1051
聖年の歩みにおける多くの恵みのイベント
愛する姉妹の皆さま
夏の全体会の終わりに、主への感謝の気持ちにあふれた心で、わたしたちが体験したことの反響を皆さまと分かち合えることは、本当に素晴らしいことです。
聖年の年にあって、多くの期待と不安に満ちた時代に、希望は貴重な贈り物であり、預言的な責任として示されます。それは、わたしたちを信頼と福音的な大胆さで歴史の中に住まわせ、並外れた恵みをもってわたしたちを絶えず訪れてくださる神の新しさを歓迎するよう仕向けてくれます。
総評議会としてわたしたちは、トゥリヴェネト(ITV)「聖マリア・ドメニカ・マザレロ」管区のチェズーナ(ヴィチェンツァ)にある「ヴィラ・タボル」支部で黙想会をしました。
毎年、わたしたちにこの贈り物を与えてくださる神に感謝しています。個人として、評議会として、わたしたちのサレジオ的奉献において生き返らせてくれます。
自然、静けさ、神のことばとの出会い、そして歓待、すべてがわたしたちを助けてくれました。
毎年、黙想会の後、わたしたちはいくつかの共同体を訪問し、姉妹、ミッションパートナー、青少年、子供たちと出会いのときがあるのですが、高齢の姉妹たちの中でも活気ある喜びの雰囲気が体験できました。このような貴重な機会に、トゥリヴェネト管区がお招きくださったことに感謝しております。
特別な恵みのイベント
扶助者聖母会(1877-2027)の最初の宣教団出発から150周年を迎えるための3年間の準備期間の最中、本会全体とサレジオ家族にとって、またとない恵みを与えられています。それは、6月の通常公開枢機卿会議において、教皇様はSr.マリア・トロンカッティの列聖式の日程を決定され、世界宣教の日と同日の2025年10月19日に挙行されることになったことです。それは、わたしたちの心に深い喜びと、Sr.マリアの賜物への新たな感謝を呼び起こす出来事です。
Sr.マリアは人を迎え入れる心、アマゾンの人々の間での燃える宣教女、また、疲れを知らずに平和と和解を築いた姉妹でした。Sr.マリアは、苦しみと紛争が最も顕著な状況下においても、単純さ、専門性、そして具体的な愛をもって福音の光をもたらしながら、兄弟愛を育むことができました。
マリア・ドメニカ・マザレロに続く扶助者聖母会員の最初の聖女である彼女の模範は、まさにこの宣教の熱意が新たに湧き上がる時代にわたしたちに届き、青少年のために奉献された女性として、主がわたしたちを遣わされるあらゆる場所で、いのちと希望を生み出すように召されたわたしたちに、「出向いて行く」教会であることの根源を、新鮮さと勇気をもって再発見するよう招いています。
また、神のしもべ マードレ ロゼッタ・マルケーゼ(聖マリア・ドメニカ・マザレロの第七代後継者)の生涯、美徳、および聖性の評判に関する教区調査の終了という贈り物を、深い喜びと感謝のうちに受け取りましょう。2025年7月4日に開催されたこのイベントは、本会全体にとって、熱烈な感謝と活き活きとした教会の交わりの特別な瞬間を表すものでした。マードレ ロゼッタは、福音に基づく徹底した生き方、熱烈な内面性、使徒的熱意をもって、最後まで神と若者に自分自身を完全に捧げながら、サレジオ会のカリスマを具現化しました。どんな状況にあっても神を父として認め、マリアのように、神に全幅の信頼と子としての溢れる愛を捧げつつ、模範的な子として人生を送りました。その証言は、今もなおわたしたちの現在を照らし続け、わたしたちの召命の神秘的で観想的な側面を再発見するよう促しています。
彼女の生涯は、イエスとの絶え間ない交わりに生きる真の現存を強烈に体験することによって特徴づけられ、イエスの現実的な存在の体験によって、継続的な交わりとして生きられ、彼女の人格は真の生きた聖櫃へと変容しました。マードレ ロゼッタは、至聖なるマリアと並んで、キリストのおんからだとおん血という尽きることのないすばらしい秘跡への愛において教会が成長するのを助けた、聖なる “聖体の女性 “の一人として紹介されています。
教会における本会の歩み
全体会の期間は、待ちに待った教皇レオ14世のカステル・ガンドルフォへの帰還によって、さらに充実したものとなりました。温かく、深い共感を呼ぶその歓迎は、出席者全員の愛と感謝の印となるものでした。サン・トマゾ・ダ・ヴィッラノヴァ小教区で教皇様が司式された7月13日の聖体祭儀は、信徒の信仰を確固としたものとする使命を負う教皇様を通じて、教会共同体のさらなる一致の機会となりました。
全体会中に共有された考察は、管区と準管区の歩みについての詳細な方向性が提供されました。公式訪問と活性化、これまで行われてきた3年間のヴェリフィカの結果を踏まえると、第24回総会で示された基本的な方針は、新たないのちの変化とそれを生み出す推進力をもたらしていると確言をもって言えます。これらの指針は、特に養成プログラム、シノダリティの成長、そして宣教への開かれた姿勢において具体化されてきています。ペースはそれぞれ異なりますが、徐々に意識の変化が起こりつつあります。これによって、一方では、各共同体で既に達成された重要な進展を認識することができるようになります。他方、目標までの距離がまだ残っているという意識も保ち続けられています。
すでに3年のヴェリフィカは、五つの協議会(ヨーロッパ・中東管区協議会、アフリカ-マダガスカル管区協議会、インド諸管区協議会、東アジア管区協議会、南太平洋地域)で実施されました。8月に参加を予定している会議(メキシコ・中央アメリカ-北アメリカ管区協議会、ボリビア周辺管区協議会、ブラジル-ラテン・アメリカ管区協議会)も、まとめと反省、再出発の貴重な時であり、会の歩みを一貫して実りある形で支援するためのものです。各管区および準管区の生活に及ぼした実際の影響を評価するにあたっては、実行された活動の単なる報告よりも、開始されたプロセス、直面した障害、進行中の具体的な変化、および将来の見通しに焦点が当てられます。
ここ数か月間、『神との契約のうねのなかで』養成プロジェクトの文書と、『FMA教育使命の指針』の更新作業が続いています。三位一体のキリスト中心主義の観点から、契約、人、他宗教主義のコンテキストにおける教育的意味合いを深めるための主要テーマが見えてきました。さらに、一貫した教育学的なモデルであり、扶助者聖母会員、および成人の教育の在り方の重要性が強調されました。もう一つの重大なテーマは、ケアについての考え方や見方が指摘され、特に女性的、かつマリア的なアプローチに焦点が当てられています。こうして、文書の草稿作成の最初の段階に到達することができました。
わたしたちは、子どもの権利を守るための児童保護対策に関するテーマの深化と研究を継続し、専門家からの意見聴取と検討に時間を割きました。一方、国際保護委員会は、3年のヴェリフィカへの参加者の貢献を共有しながら、指針の改訂を継続しています。すべてのヴェリフィカが終了次第、文書は公開されるでしょう。
特に重要な出来事
本会にとって重要ないくつかの出来事に関するご報告を分かち合いたいと思います。
2025年5月9日から11日まで、ローマの国際宣教推進センターにおいて、国際VIDESの選挙総会が開催されました。この総会には、会員、アニメーター、創立者を含む66名のメンバーに加え、ネットワークで活躍する10名の若者、および8名の名誉会員が参加しました。総会における主要な議題は次の通りでした。2024年度決算報告、活動報告、2026年度予算案、養成活動報告、国際ボランティアおよび次期4年間務める理事会の評議員の選出。複雑で変化し続ける世界情勢の中で、VIDESは引き続き活気ある活動的なネットワークとして、新しい世代と共に歩む準備を整え、より公正で包括的で連帯的な関係を築いていきます。
全体会の開始に先立ち、2025年5月25日から28日までローマ近郊のサクロファーノで、「希望を奪われないように」というテーマで、FMA同窓生世界連合国際大会が開催され、27カ国から270名の参加者が集まりました。マードレと世界連合会長マリア・カルメン・カスティジョンは、希望に向かう教育をするよう、皆に呼びかけました。活動に満ちた充実した日々は、聖書と教会の教えに照らされた希望と、今日の困難な状況に直面した際のレジリエンスについての講話が行われました。その他の意味深い時としては、希望の魔術についてのパフォーマンス、午後には総本部での和解の儀式と、マードレと総評議員との分かち合いの一時がありました。大会は、教皇レオ十四世との謁見とサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂での聖体祭儀で締めくくられ、参加者のうちに希望と共同体意識を新たに呼び起こされました。皆、体験した兄弟愛の温かい雰囲気と、分かち合ったテーマの豊かさに感謝していました。
6月4日から8日にかけて、ローマの教皇庁立サレジオ大学で、サレジオ家族のコンスルタが開催され、32の構成グループのうち27グループの代表者が参加しました。このイベントは、新総長ファビオ・アッタールド神父様のご参加があったこと、教皇レオ十四世との謁見、アンヘル・フェルナンデス・アルティメ枢機卿の司式による聖体祭儀、そしてサン・ピエトロ大聖堂の聖年の扉を通過することによって、さらに意義深いものとなりました。日程には、シノドスとシノダリティに関する考察、およびサレジオ家族本部の列聖調査に関するアルキヴィオの訪問も含まれていました。
さらに、教皇庁立サレジオ大学と教皇庁立教育単科大学「アウクシリウム」による養成の機会も紹介されました。大会は、2026年のストレンナのアイデアの収集、聖霊降臨の祭日の聖体祭儀、そして最後に総長ファビオ神父様によるまとめによる結論で終わりました。
5月30日に開催されたマリア フェスティバルに、世界中の多くの教育共同体がスクリーンを囲んで参加してくださったことに、心より感謝します。歌とビデオを通じてマリアへの愛を創造的に表し、「すべてマリアのもの」という、わたしたちのサレジオ的カリスマの特徴であるマリア的な次元が、会の中に生きていることを示してくださった方々に、特に感謝します。
神の忠実さにおいて、青少年と共に、青少年のために、わたしたちの「はい」の喜びを新たにしましょう。
8月5日が近づいてきました。この日は、マードレ・マザレロと最初の姉妹たちからわたしたちに引き継がれた契約の恵みを思い起こさせる日であり、今日この恵みに、「はい」と答える若い女性たちにお伝えしたいと思います。
修練者として本会での歩みを始める若者、初誓願を立てる若者、また、終生誓願を立てる若者、修道誓願を更新する若者に祈りをもって同伴しながら、25年、50 年、60 年、70 年、または 75 年の忠実を記念するすべての姉妹に感謝の意を表したいと思います。
修道誓願50周年を迎えられたわたしたちのマードレの、完全な自己奉献的な「はい」に特に感謝しましょう。マードレは、7月24日から27日まで、この記念日を祝う姉妹たちのグループと共に、扶助者聖母会員として、先に愛してくださった神の愛のしるしと表れとなるよう呼ばれた大きな贈物のため、神に感謝する機会を得ました。
これらの日は、聖年において、神のことばとカリスマの光のもとで、「希望の巡礼者」として歩んできた召命の歩みを分かち合う機会として企画されています。この姉妹たちは一緒に、サン・ピエトロ大聖堂とサンタ・マリア・マッジョーレ大聖堂での聖年巡礼を体験し、カステル・ガンドルフォの修練院を訪問します。
会として、姉妹たちの忠実さに感謝しつつ、マードレ・キアラの神のみ旨に対する単純で喜びに満ちた忠実さに、心を合わせて神に感謝しましょう。その常に柔軟な姿勢は、最近、教皇レオ十四世による「奉献・使徒的生活会省」のメンバーへの任命に対して、教会に 「はい」という応えに表れています。
サレジオ青少年運動の参加者が「若者の聖年」へ
聖年の最中に、サレジオ青少年運動の約5,000人の若者たちが、FMA(サレジアン シスター)とSDB(サレジオ会)と共に、7月28日から8月3日までローマで開催される「若者の聖年」に参加します。
ローマの主要な場所への訪問、チルコ・マッシモでの回心の日、トル・ヴェルガータでの教皇様との徹夜と聖体祭儀など、全ての人を対象とした活動に加え、SYMの巡礼者は特別な行事に参加します。すなわち、言語別グループ向けのカテケージス、SYMのフェア(7月29日)、SYMジュビリー・フェスティバル(7月30日)、サレジオ会総長とマードレ・ジェネラーレによる派遣式(8月2日)などにも参加します。これらの行事を通じて、ドン ボスコとマードレ マザレロの心と言葉が、現代の若者たちに伝えられるでしょう。
恵みの歩みの中に組み込まれて
わたしたちが体験し、また、これから経験する様々な出来事は、神の恵みによって形づくられるよう温順さに開かれた姿勢を新たにし、平和の中で生きる力を持った新しい人間へと変える機会です。
わたしたちの聖人たち、特にSr.マリア・トロンカッティの模範と、多くの姉妹たち、教育者たちが日々示す、単純で寛大な賜物の証しは、わたしたちを後押しし、あらゆる教育共同体を愛と赦しの掟が実践される場所とする歩みを支えてくれます。
このような思いをこめて皆さまにご挨拶し、兄弟的な祈りをお約束します。
カステル・ガンドルフォ 2025年7月 24日
マードレ キアラ・カッツオラ
総評議会の姉妹一同