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亡き姉妹のおもかげ Sr.伊藤

Sr.伊藤美世子 マリア・テレジア

帰天年月日 2019年3月18日
場所

東京都

修道生活

60年間の修道生活

略伝

 Sr.伊藤美世子は、兵庫県神戸市で5人兄弟姉妹の4番目として誕生し、
経済的にも愛情面でも恵まれた温かい家庭で育ちました。

 両親は教育にも熱心で、私立の高等女学校に入学しましたが、
戦争で父親の経営していた工場、家屋の焼失のために美世子は保険会社横浜支店に5年間勤めました。
 しかし、敗戦後の価値観の混乱する中で拠所を求めてキリスト教に関心を持ち始めていた美世子は、カトリックでアメリカ人家庭のハウスメイドに転職したことがきっかけで教会に通うようになりました。
 やがてサレジオ会、コロンバン会の司祭たちと出会い、受洗し、本会入会へと導かれました。
 誓願を立ててからは管区の様々な事業体や支部で事務職や財務として使命を果たしていきました。事業体での大変難しい問題にも忍耐強く関わり、自分の任務への忠実さをもって使命の場をしっかりと守りました。
 Sr.伊藤はいつも朗らかでユーモアに富み、その笑顔と明るさで関わる多くの人、特に若者たちをひきつけ、神へと導きました。学校現場からはとうに退き専ら院内の仕事に従事するようになりましたが、数年前まで学校の課外での要理クラスを受け持ち、彼女のクラスはいつも陽気な中高生たちの笑い声に満ちていました。
 しかし、昨年末から急激に衰弱し、聖ヨゼフの祭日の前日、緊急入院先の病院で静かに息を引き取りました。