2016.10.15
ローマ イタリア
アビラの聖テレジアの祝日は、その人格と聖性について省察するためのチャンスです。カルメル会のスオル・クリスティーナ・マリア・ドブネルの著作のある箇所を抜粋します。
「アビラの聖テレジア、勇気に満ちた熱烈な女性」
イエスのテレジア、アビラのテレサとしてよく知られた彼女は、数世紀を経てもよく知られた女性です。彼女はスペインの黄金の産地であり、今もなお観光旅行者たちを呼び寄せる、全ヨーロッパに唯一、保存された80の塔をめぐらしたアビラの城門の近くで誕生しました。テレサ・アウマダ・イ・セペダの家は城門のごく近くにありました。幼児期と青春期から彼女は、心理的にも宗教的にもこれらの環境の影響を受けていたことはよく知られています。
幼いテレサに何が起こったのでしょうか。家庭には大勢の兄弟がいて、活気に満ちていました。テレサはみんなを愛していましたが、特に兄のロドリコと年齢も近くお互いに愛し合っていました。一緒に聖人伝を読んで、成人してからもいつも天国に行く望みに燃えていました。
二人は神への愛に燃えて、モール人の国に行って首を斬られて殉教したいと思っていました。ところが一番その望みを実行するのに大きな難しさは、両親の反対でした。しかし二人はいつも、いつもこの考えを捨てずに、しばしば堅い決心をして、実行する時を待っていました。
遂にその時が来ました。勇気に満ちた熱烈な子供、そして大人になっても、勇気に満ちた女性のテレサは、兄と一緒に、神への愛のために、ただ一人の霊魂を救うためにも、千回でもいのちを捨てる覚悟で、家を出たのでした。
今はカルメル会の修道女になり、神の尊前に大きな恵みを受けたテレサについて書き記された文章を引用します。「彼女は修室の中で、大きなヴェールをなびかせて船に乗り、大波に身を任せてインド人たちのもとに行くかのように、霊的な勧めを書き記していた」(Ceronetti)。
彼女の優れた洞察力は、各自がもっている内的な世界を読みとり、理解させました。彼女の他者とのかかわりは、主がお城の中に住んでいられるかのように、主が偉大な王であり、創造主であることを示しています。主はご自分が知られ、各々の人から理解されること以外はお望みにならず、最高の友となり、完全な信頼とあらゆる善を期待できる者であることだけをお望みになっています」。
好奇心からだけでも、ご自分に引き寄せられ、あえて橋を渡ってくる人は、このお城に入り、神を賛美し、兄弟姉妹たちに奉仕するすばらしさを発見し始めます。まさに人はこのために創造されたことを発見します:神を知り、万事に超えて神を愛し、神との交わりに入り、7つの部屋のあるお城に入り、ついに最終目的に到着します。ここに三位一体の神が治めておられます。テレサは自分のうちに大きな十分な意識をもっていました。「わたしはあなたのために生まれました。主よ、あなたはわたしから何をお望みですか」と嘆願のお祈りをつくりました。
テレサは女性として最初に教会博士と宣言されました。ご自分の体験をもって、わたしたちの心を開き、神との永遠の友情を保つことを教えてくださいました。
(スオル・クリスティ-ナ・マリア・ドブネル、カルメル会員)。