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教会の中で いのちを生みだす「presenza」であるための歩み

No.1030

教会の中で

いのちを生みだす「presenza」であるための歩み

愛する姉妹の皆様

 わたしたちは、この全体集会の終わりに皆さんとご一緒に、共に過ごした豊かな経験を喜んで分かち合いたいと思います。

種々の訪問や養成に関する集会は、「いのちを生みだすpresenza」であることが賜物であり、責任であることを再確認し、純粋な家族的精神を吸収する時、わたしたちの会の美しさを味わわせてくれます。

様々な管区の生活に直接触れ合い、また訪問後の分かち合いを通して、わたしたちは改めて、カリスマの活力と、すべての教育共同体の宣教への取り組みを実感することができました。第24回総会の優先課題と総会の決議を受け止めるため、それぞれの現実の中で取り組んでいるプロセス、つまり「いのちを生みだし」続ける情熱をもって与えられたいのち、わたしたちは管区と姉妹の皆さん一人ひとりの献身に対して主を賛美し、感謝することができました。特に共に歩み、共通の使命を十分に実践することが難しい困難な状況においては、引き続き6か年計画に活力を与えていただくことをお勧めいたします。

 

 

シチリア訪問

 シチリア島での黙想会では、福者マダレーナ・モラーノの生き方と教育活動のあかしを思い起こしました。教皇フランシスコによれば、その変遷、またアリ・テルメ(メッシナ)の最初の共同体の出来事は、「過去の遺産ではなく、わたしたちの今日、常に存在するわたしたちの歴史」です。マードレ・モラーノの存在を強く感じたこの場所に留まったことは、本会の奉仕へのわたしたちの召命への熱意を新たにする贈り物でした。

わたしたちは、黙想会の間とその後に体験した喜びを胸に刻んでいます。それは、「火山が爆発するかのような熱烈な歓迎と、祝日のような教育共同体の家族的精神です。わたしたちは驚きと感謝をもって、福者と最初の姉妹たちがその地に蒔いた教育的情熱とカリスマへの愛を体験することができました。今日でも、その種は、姉妹たちと教育共同体の創造性と献身を通じて、多くの青少年の心にいのちを生みだし続けています。

 

新管区長集会

 この時期の重要な出来事は、カステル・ガンドルフォ(ローマ)での12人の管区長との集会でした。私たちは管区長に託された奉仕について一緒に振り返りました。五大陸から集まったこの姉妹たちのこだわりのない姿勢、開かれた対話と姉妹としての喜び、様々な経験の分かち合いは、賜物としていただいた招きを愛の中に生き、歩みたいと言う望みを感じることができました。会議の終了が近づきつつありますが、私たちは特に関連性の高いイベントの準備を喜んで進めています。

 

希望をもってリスボンへ

 8月1日から6日まで、リスボン(ポルトガル)で第37回ワールドユースデー(世界青年の日)が開催されます。テーマは「マリアは出かけて、急いで…向かう」(ルカ1, 39)です。これは、ナザレのマリアが、パンデミックのトラウマによって試され、戦争のドラマによって引き裂かれた人類の現状にあって、親しみと出会いの道を歩むよう、すべての人、特に青少年を招くイベントです。参加者にとっては、文化の美しさを受け入れ、多様性の中での一致を祝い、世界で最も困窮している人々のために立ち上がり、いのち、希望、平和、国境のない友愛への夢に参加するようすべての人を招かれる主の声に、共に耳を傾ける機会となるに違いありません。

サレジオ青年運動として、多くの国から約200人の若者たちが8月2日に集い、自分たちの存在を世界レベルでより意味のあるものにする方法について、サレジオ会総長、サレジアン・シスターズの総長と共に、相互に話し合います。この日は、8,000人以上の青少年が「SYM(サレジオ青少年運動)デー」に参加します。「来て、見て、祝おう」をテーマにした祝賀の一時が設けられ、聖体礼拝とサレジオ会総長とわたしたちの総長による「ボナノッテ」でクライマックスを迎えます。

 

各管区協議会のためのセミナー                           

 全体会中に、各管区協議会の部門間セミナーのプログラムも次のように決定されました。「いのちを生みだす権威の奉仕のため」2023年から2024年にかけて実施されます。   アフリカ・マダガスカル管区協議会(CIAM)とヨーロッパ・中東管区協議会(CIME)は、今後数カ月のうちに、この体験を最初にすることになります。管区で実施された振り返りのまとめをお送りいただき、ありがとうございました。このまとめは、セミナーで分かち合うための貴重な資料であり、出発点となるものです。

第24回総会の3つの優先課題に照らして念入りに推敲された6年間の計画、すなわち、耳を傾け、共に歩み、ネットワークを組み一緒に出向いていく「presenza」であるようにとの招きに応え、セミナーは養成と行動指針のいくつかを具体化する場となります。

 

  1. 会の教育的カリスマに忠実で、活性化と統治の参加型スタイルを生みだす権威の奉仕に関する特定のコルソを企画、実施、同伴する。
  2. 相乗効果で活性化と統治のスタイルを刷新し、共通の使命のためにさまざまな部門

   の参加と統合を促進する。関与、参加、共同責任に基づく活性化のスタイルを用いる。

 

このセミナーの目的は、管区長、管区評議員、および管区のレフェレンテであるサレジアン・シスターズが、予防教育の観点から、第24回総会に照らして、教会のシノドスの歩みにおいて、活性化と統治の奉仕に同伴することです。わたしたちは、相互の分かち合い、友愛、祈りの雰囲気を作り出すために、識別のスタイルのワークショップ形式を選択しました。いのちを生みだし、「心遣い」の方法を知り、家族的精神を強め、使命における異なる分野間の統合と相乗的な分かち合いを促進するような、活性化と統治の新しいスタイルを共に模索し、それを用いるために、内省と体験の時間を持ちたいと思います。

 

オンラインでの養成コルソ「『私は君に女の先生をつけてあげよう。』
サレジオ家族の母・教育者であるマリア」

 いのちを生み出すpresenzaであるマリアとともにいるようにという第24回総会の呼びかけに応えて、サレジオ家族部門は教皇庁立教育単科大学アウクシリウムと協働し、「サレジアン・シスターズ(扶助者聖母会員)」と世界中のサレジオ家族の種々のグループに、「『私は君に女の先生をつけてあげよう。』サレジオ家族の母・教育者であるマリア」と題するオンライン養成コースを提供します。それは、聖書と教会の教えから出発し、特にサレジオのカリスマに言及しながら、マリアの姿の聖書的、神学的、人間学的な研究の道と考えています。それは、本会またはサレジオ家族のグループにおいて、マリアについての知識と、教会および人類における母であり教育者であるマリアの存在における成長の過程を促進するために必要なスキルを習得する機会を提供します。 それはさまざまな言語で行われます。 最初はイタリア語で、2023 9 月に開始されます。

 

シノドスに向けての準備において

2023年10月4日から29日まで、第16回通常代表司教会議が開催されます。わたしたちは、マードレ・イヴォンヌ・ランゴアに代表されていることを感じており、彼女を招待することによって、わたしたちのカリスマに対する尊敬を改めて表したいと望まれた教皇フランシスコに感謝しております。                                         シノドス的教会は、三位一体の愛と一致に根ざし、相互奉仕に召されたすべての信徒の参加を促し、全人類家族に対して神の愛を証しする使命に参加することになります。

この段階で選ばれたイコンは、弟子たちの復活体験と聖体祭儀を、シノドスを中心点として結び合わせたエマオの出会いです。それは、わたしたちの教育的関わりに繋がる近くにいて傾聴するというスタイルを思い起こさせます。                              わたしたちもまた、自分の洗礼を再発見するという決意をもって、教会のこの旅に挑戦し、参加するよう招かれていると感じています。わたしたちの受ける洗礼は、「受けるすべての人を皆、神の息子と娘、神の家族の一員とし、したがって、唯一の霊が住まい、共通の使命を果たすために遣わされるキリストにおける兄弟姉妹とする」のです。(『討議要綱』 n. 20)。

『討議要綱』のセクションAで核となる教会の基本的な特徴と、同文書のセクションBに質問形式で集められた全大陸の活動から浮上した優先事項とわたしたち自身を比較することは、有意義で、かつ美しいことかもしれません。                     この旅路において、わたしたちは、教育共同体が、使命の観点から交わりと参加を目に見えるものとする、家族的精神と対話によって特徴づけられる場とするよう招かれていると感じています。                                      シノドスの旅の次の段階は、霊的な観点からの知恵の段階と、2024年から2025年にかけて頂点に達する預言的なものです。それは2024年から2025年にかけて頂点に達し、関わりと態度(フェーズ)に焦点を当て、これまで以上に歓び迎える家族となっていく教会の願いを確認します。                               

全教会との交わりの中で、参加者の上に聖霊を呼び求め、深く友愛に満ちた対話を真摯に受け入れる心構えと、シノドスというスタイルによってもたらされる新しさへのあらゆる抵抗を克服し、歩み続ける教会であることをますます実感できるように恵みを願い求めましょう。

わたしたちはサレジオ家族全員と共に、来月9月30日、総長アンヘル・フェルナンデス・アルティメ師が枢機卿に任命されることを神に感謝しましょう。わたしたちは、彼を待っているこれからのデリケートな任務に、わたしたちの祈りで寄り添うことを約束します。

8月5日を迎えるにあたり、青少年の救いのために主の招きにこれまで以上に喜びに満ちて忠実であるよう支えてくださっている扶助者聖マリアへの感謝を、心を合わせてお祝いしたいと思います。相互の祈りがわたしたちを支え、三位一体の愛にその起源を見、使命への忠実さにその目的を見いだす絆を強めることができますように。

 

勇気と大胆さ、そして無償の精神をもって日々行っているすべての善に感謝し、一人ひとりにわたしたちの兄弟的な祈りを捧げます。

マードレ マザレロがスオル オッタビア・ブッソリーノに宛てて書いた愛情に満ちた言葉をもって、皆様にご挨拶いたします。「私は決してあなたのことを忘れません。」 (手紙 65.4)

 

カステルガンドルフォ 2023年7月24日

 

マードレ キアラ・カッツオラ

             総評議会の姉妹一同