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シスター 田中磯恵 マリア・テレジア
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帰天年月日 |
2025年4月27日 |
場所 |
東京都 |
修道生活 |
65年間の修道生活 |
略伝 |
Sr.田中磯惠 マリア・テレジアは、1926年3月30日、京都府精華町で生まれ農業を営む両親のもと、二男四女の三女として、愛情いっぱいに育てられました。 京都で小学校高等科を卒業後、東京で勉学を続けるため下宿生活をしていました。その下宿先の家族がカトリック信者で、ある時その家族から「一緒に教会へ行きましょう」と誘われたことがきっかけとなり、カトリックを知るようになりました。 東京での勉学が終わって京都に戻り、精華聖マリア幼稚園に勤務し、2年間そこで働きました。その間教会で要理を続け、25歳の時、京都府田辺教会で洗礼を受け、マリア・テレジアの霊名をいただきました。 東京の下宿先の親族の松丸秀子さんが大阪の城星学園幼稚園で働きながらサレジアン・シスターズの志願者として生活していることを知り、彼女を訪ねて大阪の城星学園に行ったことが修道召命へのきっかけとなりました。Sr.松丸そしてSr.Giovanna Conteの導きのもとでサレジアーナとしての生き方を考えるようになり、修道生活に入りたいとの希望を両親に打ち明けた時のことをSr.田中は次のように話していました。「両親は私が修道院に入ることについて最初から認めてくれたわけではありません。でも、神様は少しずつ父の心を変え、悪いことではないからまじめにやりなさい」と。Sr.田中はこの言葉を心に納め、深い感謝をもって修道生活の道を着実に歩み始めました。 1955年3月25日に大阪玉造修道院で志願期、ポストラートを過ごし、1957年8月に調布で修練期、1959年8月5日、調布聖心修道院において初誓願を立てました。立願後、静岡に派遣され、14年程、静岡聖心修道院の静岡星美幼稚園での使命を果たしました。その後、調布聖心修道院で、会計係、衣類係、修練者のアシステンテ、副院長を委ねられ、1984年に調布扶助者聖マリア修道院の院長、1990年に東京扶助者聖マリア修道院で副院長、1992年、大村日本26聖人殉教者支部の院長の任を果たしました。1998年、東京守護の天使修道院に異動し、支部の会計、衣類係の任を果たし、やがて高齢により静養の生活に入っていきました。 晩年は、修道共同体において生涯を全うできるよう、在宅での看護、医療やデイケアでの見守りを受けながら、最後の1週間ほど前までは共同体の姉妹たちとともに生活しました。 Sr.田中は「人にしてもらいたいことは何でも、あなたがたも人にしなさい(マタイ12章)」とのみ言葉をモットーにして、誰に対してもいつも優しく、おだやかで、相手の側になって考える人でした。特に晩年には、姉妹たちをはじめ、医療介護者やデイケアの方々に優しいほほえみのうちに、どんなことにも「ありがとう」と言葉で感謝し、接する人々に好感を示し、素晴らしいあかしを残しました。生涯をサレジアンシスターとして、ドン ボスコとマードレ マザレロに倣い、感謝の記念碑となって、生涯のすべてを捧げ、日々、主の招きに応え続けました。享年99歳、66年の修道生活をおくりました。 |