Torino (Italia)
6月21日、トリーノの扶助者聖マリア大聖堂で、教皇聖下によるサレジアン・ファミリーとの出会いの集いが催されました。教皇フランシスコは、「イエス・キリストの聖骸布(シンドネ)」と「慰めの聖母」聖堂への巡礼の後、サレジアンの魂であるヴァルドッコを訪問されました。
青少年、教育者、そして、毎日、扶助者聖マリア大聖堂とヴァルドッコ、かつてトリーノ郊外であったこの全地域を活性化し、推進している町の人々は、大歓声と大喝采のうちに教皇聖下をお迎えしました。
聖下は、ご自分の到着を待って扶助者聖マリア大聖堂広場に集まっていた群衆に挨拶をされてから、ドン・ボスコの遺体に敬意を表すため、祭壇に向かわれました。深い潜心のうちに捧げられた個人的な祈りの一時、それは教皇フランシスコがつねに心に抱いておられたドン・ボスコへの信心であり、その表現はサレジアン特有なものでした。
サレジアン・ファミリーを代表して、ドン・アンヘル・フェルナンデス・アルティメ総長は、教皇聖下の訪問を感謝し、また、ドン・ボスコの心を共にするすべての人が、聖下の教えとご指導に従うこと、とりわけ「恵まれない青少年について特別な配慮をする」よう努力することを、改めて表明されました。
それから、「アベ・マリア(聖母マリアの祈り)によってオラトリオを始めた」ドン・ボスコを思い出し、「人間的に、また宗教的に貧困な状態の中にいる青少年の救いに専念することを神は望んでおられること、この青少年の間に生きるという使命は、神からかれに与えられたもの」として確信し、それを受け入れたかれの心のうちを説明されました。
総長は、教皇フランシスコに記念の贈りものをされましたが、その中の一つとしてBraの職業専門養成センターの生徒たちが制作したビンテージバイクもありました。
続いて教皇聖下は、公式なスピーチではなく、直接、自然な形で話されました。聖下がサレジオ会及びサレジアン・ファミリーと一緒にされた個人的体験について、また、ドン・ボスコとその子らの具体性と創造性、扶助者聖マリノアの姿、ご聖体と教皇への愛、サレジアンの喜び、慈愛、美への教育、女性の役割等を強調されました。
ドン・ボスコを理解するためには避けることのできないマンマ・マルゲリータについて話され、サレジオ会とサレジアン・シスターズの女子青少年に提案すべき女子教育のモデル、女性の役割について話されました。これは、教皇庁女性高官の指名についての質問に対する回答の中でのことで、機能中心主義の役割よりも、愛することのできる権威ある女性像に向かっての教育を取り上げられました。
教皇フランシスコは、ドン・ボスコの時代と現状を比較しながら、「今日、沢山のことが変わりましたが、青少年の状況はほとんど変わっていない」ことを提示されました。したがって、「皆さんのカリスマは、現代社会にとって非常に重要なものです」と叫ばれ、ドン・ボスコのように挑戦し、具体的で現実に即したものであるよう、サレジオ会として勇敢な選択を求められた。「サレジアンは具体的です。問題や困難を見ると、どのように対処するかを考え、それの状況を把握し、対応します」と。つづいて、とくに「危機対策の教育」が必要となっている今日の若者の失業という悲惨な状況に取り組み、職業訓練に留意するよう求められました。また、パタゴニアを含む多くの人びとの福音化のため、自分の生涯を捧げる多くの男女によって証される福音宣教についても要請されました。
扶助者聖マリア大聖堂での教皇フランシスコとの待望の出会いは、これをもって終わりましたが、教皇聖下は、ただちにその場で参加していた人々の情熱と感動の間を通って、大聖堂前の広場で待機している信徒と青少年、巡礼者に再び出会い、その眼差しを注ぐため、もう一度、人々の前に姿を現されました。いつも喜びのうちにオラトリオの心と霊性を生きるようにと勧めを与えながら、「わたしの人生において、サレジアン・ファミリーの皆さんからいただいた多くのことを心から感謝します」とのお言葉で結ばれました。